序章から数年前にさかのぼる場面。
ドギムが父親に連れられて、恵嬪(ヘビン)洪(ホン)氏のところを訪ねるところから始まります。
つまり、ドギムが見習い宮女として宮中にあがるころ、父親は生きているということ。ドラマでは、恵嬪の夫である思悼(サド)世子が亡くなる時に命を落としたという設定。
幼いドギムには、「世子が亡くなった理由を誰にも尋ねてはならない」「宮中でその話を持ち出してはならない」という理由がわからないものの、口をつぐまなければならないことを肌で感じる。
「世孫さまの目に留まるように振る舞うのだぞ」という父。「私の友達は私が決める」と答えるドギム。この後の友情と恋心のはざまで悩むドギム、を思い浮かべてしまう台詞です。
簾の向こうから恵嬪が声をかける。
『そなたが大変困窮していると聞いた』
『そなたには娘がおり、私はちょうど幼い宮女を探しているところだったので、実家の縁もあるし、声をかけたのだ』
「赤い袖先」上巻 カン・ミガン著
史実
ソン・ドギム=成時任の父・成胤祐(ソン・ユヌ)は、恵嬪の実家で使用人として働いていた
世孫=サンと釣り合う年頃であること
その妹たち、清衍(チョンヨン)郡主(クンジュ)と清衍(チョンヨン)郡主(クンジュ)の面倒をみることもできそう
ということで、恵嬪はドギムを気に入る。ここでドギムの師となるソ尚宮(サングン)を紹介される。
ソ尚宮の名前は、ソ・オクグム。恵嬪にとって遠い親戚にあたることもあり、東宮=サンの居所に入ったことが描かれている
恵嬪がドギムにしてもらいたいこと。
世子=ここでは、サンの実父・思悼(サド)世子が亡くなって以降、ふさぎがちで本ばかり読んでいる東宮=サンに気分転換をさせてほしい
ところが、サンは不貞腐れた様子で、母の命令だから仕方なくドギムがそばにいることを黙認する程度。遊ぼうと誘っても「遊んだことがない」と言う。その代わりにドギムが提案したのが「力比べ」サン・ドギム・恵嬪が1つずつ課題を決め、3本勝負をするというもの。
サンの課題:「四書三経」をそらんずる
ドギムの課題:縄編み
恵嬪の課題:裁縫
『そなたたちは今後、針を触らぬほうがいいだろう』
「赤い袖先」上 カン・ミガン著
サンもドギムも裁縫とは呼べない出来に、恵嬪から厳しい評価が出る。このとき、バツの悪い様子のドギムに対し、サンは高笑い!退室する前にドギムの名を尋ね、「次はない」と言い残してその場を去る。久しぶりに我が子・サンの子どもらしい笑顔を見た恵嬪は、大満足。「よくやった」と彼女の頭を撫でる。
この先、宮中で見習い宮女としての生活が始まったドギム。入宮前に文字を覚えていた彼女に、ある美しい女の子が声をかける。この子がぺ・ギョンヒ。次に声をかけてきたのが大柄なボギョン。そして痩せていて存在感のない女の子・ヨンヒにも偶然会う。
文字を覚えられずに苦労するヨンヒにせがまれ、持っていた『仁顕(イニョン)王后伝』を読み聞かせる。そこにボギョン、ギョンヒもやってくる(ボギョンとギョンヒは、顔を見合わせれば口げんかばかり)
『一生をともに過ごす仲間をここで見つけるのも悪くない』
「赤い袖先」上 カン・ミガン著
『仁顕王后伝』の読み聞かせをしたことから、他の見習い宮女たちにも物語を読んで聞かせる仕事を始めます。その後、ドギムのいたずらがバレ、そのとばっちりを受け4人で叱られることに。ドギムとその友人たちの距離が縮まっていく様子が、この後も少しずつ描かれます。
ぺ・ギョンヒ
訳官(ヨククァン)の娘。裕福な家で、人脈も広いと自慢話をする性格。
ヨンヒとは五等親の親戚
第一章の「後ろ姿」というのは、ケンカをしながらも仲良くなり「友達ができたドギム」が「友という存在のいないサン」の背中を見送る場面の象徴。生涯にわたり、二人の価値観がもっとも異なる部分なのかもしれません。
前の話:序章~運命へのカウントダウン
次の話:「東宮と見習い宮女」分かれ道
七章 駆け引き
ポスター・画像出典元:MBC番組公式サイト
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