序章~運命へのカウントダウン:「赤い袖先」上巻

原作小説

甲申(きのえさる)1764年の秋から物語は始まります。

見習い宮女(クンニョ)のソン・ドギムが、他の見習い宮女たちを前に物語を読み聞かせている場面。この先どうなるの?というところで本を閉じるドギム。

続きを読んで、という大柄なボギョン

追加のお金が要るということよ、と聡いギョンヒ

その二人の諍いにオロオロする、小柄なヨンヒ

内緒の朗読会がソ尚宮(サングン)に見つかり、あえなく中止になるところです。

この時に、これからの人生で師となり、友となるメンバーが揃う。

ドギムの描写

いつも好奇心で輝いている目

胸が高まると桃色に染まる頬

手綱が放たれた子馬のようにはしゃぎまくる

「赤い袖先」上巻 カン・ミガン著

この日は、亡くなった王の側室=暎嬪(ヨンビン)の出棺。ソ尚宮が(ドギムを叱るため)別の場所へ連れて行ったものの、他の尚宮に呼ばれ、一人その場に残されるドギム。

よく知らない場所で道に迷い、一番近くの宮殿に入ると…そこが暎嬪を祀る殯宮(ひんきゅう)=棺を、埋葬の時まで安置しておく仮御殿。そこでドギムは、国王=英祖(ヨンジョ)に出会う。

ドラマでは、陪童(ぺドン)のふりをした世孫サンと、弔問を命じられた幼いドギムがふたりで殯宮に向かう設定。

英祖は、自分の膝をぽんぽんと叩いて、ドギムに座るよう促す。この時の王からの問いかけで、ドギムの生まれや宮中に入った経緯がわかる。

ドギムの背景

癸酉(みずのととり)=1753年生まれ

壬午(みずのえうま)=1762年に宮中入り

宮女になった理由:官吏だった父親が、献上する財物を使い果たし借財したため

兄たちと弟がいる

宮中で使われる美しい「宮中書体」を習いたいというドギムの話を聞く英祖。一人でいたのは、暎嬪(ヨンビン)にふさわしい諡(おくりな)を考えるためだった。義烈(ウィヨル)に決めたことを、ドギムに伝える。

日が暮れて、王に仕える尚膳(サンソン)からソ尚宮を経由して、英祖から4冊の本が届く。そのうちの1冊が『女範(ヨボム)』暎嬪(ヨンビン)自ら著した美しい字の貴重なものだった。

のちに、大きな問題にもなる『女範(ヨボム)』を手に入れた経緯が細やかに描写された序章。宮女から側室になった暎嬪とドギムを重ね合わせるような物語は、この先も何度か登場します。

この先の展開を知って読むと「こんなところに伏線があるのね」と思いますし、「ドラマではこんな描かれ方だったな」と違いも気がつきます。

「赤い袖先」:原作小説との比較

次の話:「東宮と見習い宮女」後ろ姿

序章の出来事が関わる場面

王と宮女①「王と宮女」承前:「赤い袖先」中巻・第二部

王と宮女②「王と宮女」承前:「赤い袖先」中巻・第二部

ポスター・画像出典元:MBC番組公式サイト

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